コベカツ(KOBE◆KATSU)は、神戸市が部活動の地域移行で始めた地域クラブの活動です。市立中学校の部活動は2026年8月末で終わり、9月から平日も休日もコベカツに切り替わりました。
会費はクラブごとに決まり、市は市立中学生1人あたり月1,500円分のポイントを出して支払いを支えています。Xの投稿では、教員の負担が減るという期待と、知らない大人の指導や帰りの遅さを気にする声が並んでいます。
コベカツの仕組み、部活動と何が変わったか
コベカツを運営するのは、神戸市教育委員会に登録した地域の団体です。スポーツや文化芸術の団体のほか大学や民間企業、NPOなども、公募と審査を経て登録されています。
公式ページによると、登録されたクラブは1,000を超えました。市は、部活動になかったダンスや料理、eスポーツなどの団体にも加わってもらう考えです。生徒は在籍する学校の校区を越えて、やりたい活動を選べます。
教育委員会の方針(2024年12月)にある比較表では、部活動との違いは次のとおりです。
| 項目 | これまでの部活動 | コベカツ |
|---|---|---|
| 運営 | 学校 | 地域の団体(登録制) |
| 指導する人 | 教員、部活動指導員 | さまざまな人材、希望する教員(兼職兼業) |
| 参加できる人 | その学校の生徒 | 生徒など(参加の範囲は柔軟に設定) |
| 活動場所 | 学校施設 | 学校施設、地域の施設 |
| 費用 | 部費(実費相当) | 月会費など |
| 保険 | 日本スポーツ振興センターの災害共済 | スポーツ安全保険など |
活動時間と休養日の決まり
中学校の施設を使う場合の活動時間は、平日が16時から20時30分のうち2時間程度、休日は18時までの日中のうち3時間程度です。休養日は平日と休日を区別せず週2日以上とり、授業の前の朝練習はしないと方針で決めています。
指導する人と教員の関わり方
教員が顧問として部を受け持つ形は、なくなりました。指導を望む教員は、兼職兼業の許可を受ければコベカツに加われます。市は指導者に、日本スポーツ協会などの資格を求めていません。
そのかわり、見守りだけのスタッフも含めた全員が、活動を始める前に教育委員会が指定する研修を受けます。安全管理や熱中症予防、ハラスメント防止などの内容で、続けるなら毎年受け直します。団体は3人以上で組み、責任者は18歳以上(高校生を除く)という決まりです。
コベカツの会費はいくら?ポイント支援と保険料
コベカツは会費制で、運営に最低限かかる費用は原則として家庭が負担します。会費の額はクラブが決め、活動方針に書いて公表することになっています。方針がクラブに求めているのは、運営を続けられる範囲でできるだけ安い会費にすることと、営利を主な目的にしないことです。
金額の目安としては、2026年2月10日の会見で市長が、登録しているクラブの平均の会費を3,200円と説明しました。教育長は、費用は種目によってばらばらだとも述べています。これは会見の時点の数字で、9月以降の平均は公式ページでは確認できていません。
市立中学生に月1,500円分のポイント
神戸市立中学校の生徒は、会費の支払いに使えるポイントを1人あたり月1,500円分受け取れます。就学援助を受けている世帯では、月3,000円分です。2026年度はコベカツが9月に始まったため、一般の世帯で7か月分の10,500円分になります。
支払いはスマートフォンで使う「コベカツサポート」で行い、市立中学生の保護者はシステム利用料と手数料を負担しません。月1,500円は会費の額ではなく、会費に充てられるポイントの額です。会費がポイントを上回る分は、家庭の負担です。
会費以外に入会金・ユニフォーム・用具・遠征費などがかかるかは市の公式ページでは確認できず、クラブの案内で確かめる必要があります。市は公式ページで、経済的に困っている家庭への支援に加え、保護者の負担を軽くする取り組みを検討していると書いています。
スポーツ安全保険の保険料は市が負担
学校の部活動でのけがは、日本スポーツ振興センターの災害共済給付で補償されてきました。地域のクラブの活動はこの制度の対象外で、スポーツ安全保険などの民間の保険を使います。神戸市は、コベカツに参加する市立中学生のスポーツ安全保険料を負担しており、家庭の負担はありません。
会見での説明では、保険料は年間800円です。申請は保護者がフォームから行い、体験会などに申し込むまでに済ませます。1度の申請で複数のクラブの活動に対応し、期間は3月31日までなので年度ごとの更新が必要です。
国の参加費の目安との比べ方
国はスポーツ庁のFAQで、休日に週1日・月4日程度活動する場合の参加費のイメージを、月額1,000〜3,000円程度と示しています。同じFAQは、これはあくまでイメージで、月数百円や4,000円程度などの設定もありうるとしています。コベカツには平日に活動するクラブもあり、回数が違えば金額をそのまま比べることはできません。
コベカツの申込方法と参加までの流れ
申し込み先はそれぞれのクラブです。市の公式ページに書かれた流れは、おおむね次のとおりです。
- コベカツ専用ホームページの「登録団体一覧」や「コベカツマップ」で、種目や地域からクラブを探す
- クラブの活動紹介ページで「入会方法」を確かめ、クラブに直接申し込む
- 体験会や体験入会に参加する(体験入会はクラブへの事前の申し込みが必要)
- 市立中学生は、体験会などに申し込むまでにスポーツ安全保険の申請を済ませる
- 入会したら、保護者が「コベカツサポート」に参加するクラブと会費の払い方を登録する
年度の途中から入れるかどうかや定員の空きは公式ページに書かれていないので、クラブに問い合わせることになります。
校区の外のクラブへ通うときの移動と送迎
ほかの校区の中学校で活動するとき、市は公共交通機関の利用や、必要に応じた保護者の送迎をお願いしたいとしています。市は自転車で通えるよう準備を進めるとしており、自転車を使うなら保険への加入が必須です。大会や練習試合への移動で、クラブの大人が引率することは必須とされていません。
主な種目は在籍する学校か、自転車で20分ほどの近くの学校で活動できるよう、市が団体を集めているところです。隣の学校まで遠い小規模校の3校では、タクシーの相乗りで活動場所へ行く実証事業を9月から始めると、2月の会見で教育長が説明していました。利用者の負担はないとしていますが、その後の実施状況は公式ページでは確認できていません。
大会への出場と内申点
コベカツのクラブも、兵庫県中学校体育連盟に申請して認められれば、神戸市中学校総合体育大会から全国中学校体育大会まで出られます。ただし、民間のクラブチームやほかのコベカツクラブから登録を移した場合などは、出場が制限されることがあります。内申点への影響については、部活動などへの参加も内申点には影響しない、というのが市の答えです。
神戸市の部活動地域移行、Xの投稿に出た期待と心配
当サイトが2026年10月8日までに集めたXの投稿のうち、本文に「神戸」が入っていたのは83件でした。政令市の名前で数えると最も多く、2番目に多い京都(24件。「東京都」は数えていません)の3倍あまりです。神戸の83件のうち、意見と判定したのは31件です。
集めたのはXの公開投稿のサンプルで、神戸市の保護者や市民の考えを代表するものではありません。31件は少なく、どの立場が多いかを比べる材料にはなりません。神戸の名前が出ていても、京都や熊本など他の都市と並べて書いた投稿や、話の中心が神戸ではない投稿も含まれます。
31件を論点で分けると、次の表のようになります。
| 論点 | 件数 | 投稿の主な中身 |
|---|---|---|
| 教員の働き方 | 7 | 教員の負担軽減を理由にした支持、部活が教員の負担で成り立っていたという振り返り |
| 教育的意義・機会 | 7 | 学校で友達と活動したい、居場所が失われるという反対と、子どもの成長への期待 |
| 受け皿・指導者 | 6 | 素性の分からない指導者や利益目的の委託先への心配、指導者の有償化などの提案 |
| 制度・移行プロセス | 5 | 全面移行を丸投げとみる批判と、粛々と進めるべきだという声 |
| 費用・家庭負担 | 3 | 下校が遅くなるのでバスを戻してほしいという要望、負担が家庭と地域に移るという心配 |
| 地域格差 | 1 | 大都市ならできるが小さな市町村では難しいという指摘 |
| その他 | 2 | 近くの市の課題を並べた投稿など |
歓迎する投稿で目立つのは、教員の負担を減らすという理由です。部活の指導は教員の本来の仕事ではないとして外部に任せることを支持する声や、教員不足を和らげるために移行か廃止を求める声がありました。コベカツの開始で子どもが成長することに期待する投稿や、部活より勉強を優先したい立場から歓迎する投稿もあります。守ろうとしているのは、教員が授業と生徒に向き合う時間と、子どもの放課後の選択肢です。
心配する投稿は、もっと具体的な場面を挙げています。素性の分からない大人が指導することへの不安を費用とあわせて挙げる投稿や、利益目的の委託先に任せると痛い目を見るという投稿がありました。学校の中で友達と活動したい、部活がなくなれば生徒の居場所と教育が失われる、という反対もあります。
暮らしに近いところでは、下校が遅くなるのでバスを戻してほしいという要望や、活動の負担が保護者と地域に押しつけられるという心配が出ています。どれも、安心できる大人のもとで子どもが無理のない時間に仲間と活動できるかを気にかける声です。
市の方針には、こうした心配のいくつかに対応する決まりがあります。指導者には研修と3人以上の体制を求め、クラブには営利を主な目的にしないことと年1回以上の会計報告を課しています。
市は相談窓口を設け、活動に疑問のあるクラブや指導者には現地確認をする方針です。帰りの足については、3校でのタクシー相乗りの実証が示された段階です。
神戸に限らない全体では、2026年6月27日〜10月8日に集めた投稿のうち1,578件を意見と判定しました。そのうち費用・家庭負担の論点は164件でした。立場では、条件付き・改善要求が44件でした。慎重・反対の34件を上回ります。神戸の費用・家庭負担の3件でも、2件はバスや支援を求める投稿でした。
下の図は、神戸に限らない全体の費用・家庭負担の意見の内訳です。
- 移行支持 31件(18.9%)
- 条件付き・改善要求 44件(26.8%)
- 中立・情報 55件(33.5%)
- 慎重・反対 34件(20.7%)
Xの公開投稿のサンプルを分類した件数です。社会全体の世論調査ではありません。
コベカツで確認できていないことと問い合わせ先
市の公式ページと方針、2月の会見の記録からは、次の点を確かめられませんでした。
- 9月以降に実際に参加している生徒の数と割合
- 会費以外にかかる入会金や用具代、遠征費の相場
- 定員がいっぱいのときの扱い(2月の会見で教育長は、門前払いのないようにしたいと述べた)
- 年度の途中から入会できるかどうか
- 私立や市外の中学生がどのクラブに入れるか(参加者の範囲は各クラブが活動方針で決める)
- 保護者の負担を軽くする追加の取り組みの中身(市は検討中としている)
活動中のトラブルなどの相談先として、市は「安心・安全ホットライン」を設けています。フリーダイヤルは0120-58-3033(兵庫県内のみ)、受付は平日の9時から17時です。制度についての問い合わせ先は、神戸市「部活動の地域展開」のページの末尾に載っている教育委員会事務局児童生徒課です。募集やクラブの情報は更新が続くため、申し込む前にコベカツ専用ホームページで最新の案内を確かめてください。